
開催概要
2026年5月19日(9:00〜13:00)、International WELL Building Institute(IWBI)主催による「WELL 2026 Summit Tokyo」が、港区赤坂のシスコシステムズ合同会社 東京オフィスにて開催されました。
一般社団法人グリーンビルディングジャパン(GBJ)は昨年に引き続き本サミットのイベントパートナーを務め、GBJ法人正会員各社の登壇・参加が実現し、GBJ代表理事(IWBI Governance Council member)木下 泰によるパネルモデレーションも行われました。
会場について
会場となったシスコシステムズ東京オフィスは、WELL認証の精神を体現する空間そのものでした。室内空気質(IAQ)モニタリング、人感センサー技術、バイオフィリックデザインが有機的に組み合わされ、省エネルギーと快適性・日本の空間文化への配慮が両立したオフィスは、参加者にWELLの「生きた事例」を提供しました。
プログラム
WELLの未来とOne WELLプレビュー(Rachel Hodgdon氏)

サミット前半では、IWBI CEOのRachel Hodgdon氏が登壇し、WELLの現在地と今後の方向性について包括的なプレゼンテーションを行いました。
なかでも注目を集めたのが、次世代プラットフォーム「One WELL」の紹介です。WELLの利用者体験(ユーザーエクスペリエンス)を刷新する新しいインターフェース・機能のプレビューが公開され、人を中心とした建物のグローバルな普及加速に向けた設計思想が示されました。あわせて、新たに開始された2つのレーティングも紹介されました。
- WELL Real Estate Rating:プロパティオーナーが資産レベルで健康パフォーマンスを実証するための枠組み。
- WELL Operations Rating:建物の日々の運営管理に着目したレーティング。
両レーティングは大規模不動産ポートフォリオがESGコミットメントをWELL認証取得前に示せる設計となっており、日本市場での活用が期待されます。両レーティングとも現在エンロールメントを募集中です。
「Investing in Health Pays Back」に関連したプレゼンテーションとパネルディスカッション
GBJ法人正会員であるパナソニック エレクトリックワークス株式会社および合同会社デロイト トーマツによるプレゼンテーションに続き、両社パネリストによるパネルディスカッションが行われました。WELL認証に取り組む現場と企業開示に取り組む財務・IR部門とのギャップを如何にして克服し、これまでの取り組みを効果的に企業価値の向上につなげるかという議論が展開され、GBJ代表理事・木下 泰がモデレーターを務めました。
WELLに関連した先駆的プロジェクトについてのプレゼンテーション
国内外の5社が登壇し、WELLに関連した先駆的な取り組みを共有しました。韓国・江南のオフィスビルCenterfieldにおけるWELL認証プラチナ取得(ATLАSEN関与)、フィリピンNEOによる既存オフィスポートフォリオへのウェルビーイング性能向上、IAQセンサーのスタートアップuHooによる日本企業との協働事例、会場であるシスコシステムズ東京オフィス自身の取り組み、そしてダイキン工業による空気質向上ソリューションと、アジアパシフィック地域の多様な実践が国内参加者にとって大きな刺激となりました。
GRESBとWELLのアラインメント
不動産ESG評価の主要指標であるGRESBとWELL認証のアラインメントをテーマとしたセッションも実施されました。投資家・アセットマネジャー双方にとって実践的なこのテーマについて、GBJ法人正会員であるCSRデザイン不動産投資顧問株式会社の堀江隆之社長が登壇。不動産投資の観点からWELLとGRESBの接点について知見を共有しました。
WELL AP Fireside Chat
WELL認定プロフェッショナル(WELL AP)を対象としたFireside Chatは、IWBI APAC Head・Jack Noonan氏がモデレーターを務め、GBJ法人正会員から多くのWELL APが参加しました。日本市場における認証取得の実例・課題・今後の展望について、IWBIエグゼクティブと国内実務者が直接対話できる実践的な場となりました。
プラーク授与式・WELL Community Award表彰
イベントの締めくくりとして、WELL認証プロジェクトへのプラーク授与式が執り行われました。今回はプラチナ認証を取得した物件を中心に多数のプロジェクトが表彰され、会場は祝賀ムードに包まれました。あわせてWELL Community Awardの受賞者・受賞物件の表彰も行われ、コミュニティレベルでのウェルビーイング推進における優れた実践が称えられました。
まとめ
本サミットは、WELLの日本市場における深化とグローバルな展開加速の両方を実感できる機会となりました。Rachelによるビジョンある基調提言、「Investing in Health Pays Back」という明確なビジネスケースの提示、先駆的なプロジェクトの知見の共有、GRESB×WELLという投資家目線の議論、WELL AP同士の実務的な対話、そして多くのプラチナ認証物件とWELL Community Award受賞者の表彰と、充実したプログラムが展開されました。GBJは引き続きIWBIのイベントパートナーとして、日本国内でのWELLの普及・推進に取り組んでまいります。

