GRESBとは

 

GRESBは、不動産セクターの会社・ファンド単位での環境・社会・ガバナンス(ESG)配慮を測り、投資先の選定や投資先との対話に用いるためのツールとして、APGやPGGMなどの欧州の年金基金を中心に2009年に創設されました。現在ではGBCIがGRESBの親会社となり、日本を含む世界各国の機関投資家が参画しています。
元々は「Global Real Estate Sustainability Benchmark(グローバル不動産サステナビリティ・ベンチマーク)」の略でしたが、ここ数年は、インフラ等にも評価対象が拡がったため、GRESB(グレスビー、グレスブ)と略語で総称されるようになりました。GRESBは、実物資産関連のアセットクラスでの投資判断に使えるツールとして拡がりをみせています(図表1)。

 

図表1 GRESB評価の枠組みと広がり

(出典: CSRデザイン環境投資顧問(株))

 

 

不動産を対象とする「GRESBリアルエステイト」の中においても、メインのリアルエステイト評価にプラスして任意での参加ができる「レジリエンスモジュール」、またリアルエステイト評価等への参加者でなくても開示情報によって格付けされる「GRESB開示評価(GRESB Public Disclosure)」など、メニューの多様化が進んでいます。

「GRESBリアルエステイト」への参加者は毎年増加しており、2019年は、グローバルで1005、日本で70となりました(図表2)。日本の内訳は、J-REITが多く44社で、その参加率は時価総額ベースでJ-REIT市場の92%となっています(2019年9月時点)。ディベロッパーや私募リート、私募ファンドなどからの参加者も増加が目立ち始めました。(なお、2020年の速報値では、グローバルの参加者数が1,229と発表されました。日本からは約80となりそうです。正式発表は11月1日です。)

 

 

図表2 GRESBリアルエステイトの参加者数の推移(2010~2019年)

(出典: CSRデザイン環境投資顧問(株))

 

 

GRESBの評価方法、スコア概要と評価項目

「GRESBリアルエステイト評価」では、総合スコアのグローバル順位によって格付(GRESB Rating)が与えられ、上位20%が「5スター」、次の20%が「4スター」などと呼ばれます。また、「実行と計測(IM:Implementation & Measurement)」と「マネジメントと方針(MP:Management & Policy)」の2軸のスコアによって図表3のようにプロットされ、その両軸とも50%以上の好評価を得た参加者には「グリーンスター」の称号が与えられます(2020年では評価設問の全体構成が変わっており、「グリーンスター」の定義が変わると予想されます)。

日本参加者は毎年着実に平均スコアを上げ、2014年以降はグローバル平均よりも優位を維持しています。

評価項目は、サステイナビリティに関する社内体制や方針の制定状況、ESG情報の開示状況をはじめ、LEEDやWELLを含むグリーンビル認証の取得実績、保有不動産物件を通した環境負荷削減への取組みやテナントとの環境・社会配慮の協働、従業員やテナント等への健康・快適性の取組みなど、多岐に渡ります。

 

図表3 日本・グローバルのスコア推移(2013~2019年)とGRESBの評価方式

 

(出典: CSRデザイン環境投資顧問(株))