未曾有の危機の中、相互に優先順位をつけてレジリエンスを保つ

新型コロナウィルスがみなさんの生活にさまざまな形で影響を及ぼしていることと思います。USGBCのCEOであるマヘーシュ・ラマヌジャンは「今こそ、他者を思いやり、家族や愛する人の健康を優先し、困っている隣人を助けることに集中する時」とメッセージを発信しました。
「たとえ離れていても、私たちのコミュニティが一緒にできることはたくさんある」、これは専用オフィスや直通電話を持たずにゆるやかなネットワークのつながりで動いているGBJの活動にもあてはまります。離れていてもできることを考え、少しずつ活動に生かそうとしています。
マヘーシュのメッセージ全文をご紹介します。

 

2020年3月24日

今こそ他者を思いやり、思いやる心を、より大切にしなければなりません。

 

このような時には、人命がどれほど尊いものか、この世界がどれほど脆いものかと言いたくなる気持ちにかられます。しかし、実のところ、私たちはこのような経験をかつてしたことがありません。私たちの強さと人間性は歴史を通しで試されてきましたが、現在、私たちの周りで起きている出来事は、間違いなく新たな脆弱さを明らかにし、想像もできない手段で私たちの適応力に課題をもたらすでしょう。そして多くの人がそれらの挫折を乗り越えられないものだと感じると思います。

 

USGBCでは、私たちの社会がよりレジリエントであることの必要性について、すでに多くの時間を割いて話し合ってきました。そして今、パンデミックの最中で、私たちのベストプラクティス(成功事例)とレジリエンスの高い行動を世界中のコミュニティと共有することで、お互いに助け合う機会を得ています。

 

26 年間、私たちは USGBC、GBCI、LEED を今日の地位にまで高めるために共に懸命に努力してきました。そして、理事会とメンバーの全面的な支援を受け、今こそ、私たち一人一人が組織の価値観を実践することに集中する時です。

 

私たちの未来へのビジョンは、これまで以上に強固です。私たちが築き上げてきた持続可能な社会のための世界的な基盤は、不滅です。そして、未曾有の世界的な公衆衛生危機の中にあっても、私たちが長きに渡り築いてきた公正な持続的姿勢は揺らぐものではありません。

 

私たちの活動と使命は止まることはありません。私たちは、不確実性よりも不変性を優先し、不安よりも安定を優先することで、現在抱える危機に戦略的に適応してきました。マインドフルネスと内省を優先し、自らの組織と地域社会に、安全と平穏、人類という共通の旗の下に集う機会を提供してきました。

 

今こそ、他者を思いやり、私たちの組織が体現している安定と共感を示す時でもあります。家族や愛する人の健康を優先し、困っている隣人を助けることに集中する時です。今こそ、子供や高齢者、世界中の医療の最前線にいる人々、私たちのために献身的に働いてくれるサービス業の人々、そして突然仕事や安定した収入を得られなくなった人々に感謝と寛大さを表す時です。励ましの言葉をかけるだけでも、寂しさを少しでも和らげるだけでも、今こそ、お互いに手を差し伸べていきましょう。(感染者数の増加)曲線を平らにする一方で、私たちはこれまで以上にお互いの絆をより強固なものにすることをコミットし続けることができます。

 

私たちは、この瞬間からすべき修正をし、回復し、貴重な教訓を生かし、より健全で持続可能な未来に向けて前進していくことを確信しています。そして、すべての人が心の中に希望を抱き、数週間後、数ヶ月後にはより強い組織とコミュニティとなることを願っています。

 

感謝の気持ちを込めて。

 

マヘーシュ

 

USGBC articles 原文(2020.3.24) :

https://www.usgbc.org/articles/staying-resilient-prioritizing-one-another-unprecedented-crisis

 

 

2020年4月3日

たとえ離れていても、私たちのコミュニティが一緒にできることはたくさんあります

 

親愛なる皆様

 

この数週間の経験は、私たちに思いやり、共感、寛大な精神を他者へ表することの重要性を教えてくれました。私はこの時間を使って、自らを省み、個人的に働き掛けをし、今後の適応の仕方や、今までとは違った方法で活動の可能性を考えてきました。

 

このことを念頭に置き、2020年のイベント(11月4日にカリフォルニア州サンディエゴで開催されるGreenbuild International Conference and Expoを除く)を、直接会って行う会合形式からデジタル技術を応用したライブ形式に変えることにしました。live digital experiences.

 

数週間先、数ヶ月先まで本当に先が見通せない状況ですが、私たちは組織として前に進み続け、レジリエンスの体現者とならなければなりません。建設に関わるコミュニティとして、私たちは安定と向上心を伝え、意識しなければいけません。発信することに重きを置くコミュニティとして、耳を傾け、注視することに集中する時間を取る必要があります。私たちが健全な未来を計画する際に、過去を振り返りそこから学ぶことができるように、現状を理解することに集中しなければなりません。

 

ご自愛ください。今後、バーチャル上での皆様との関わりを楽しみにしています。

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

マヘーシュ・ラマヌジャン

米国グリーンビルディング協議会会長兼CEO

 

USGBC articles 原文(2020.4.3)
https://www.usgbc.org/articles/message-usgbcs-ceo-connecting-virtually

 

(翻訳:GBJ事務局 鈴木佑梨)

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