
2025年12月10日から12日の3日間にわたり、World Green Building Council (WorldGBC) のAsia Pacific Network (APN) 会議が日本で開催されました。一般社団法人グリーンビルディングジャパン(GBJ)は本会議を共催し、アジア太平洋地域のリーダーたちと共に、次世代のグリーンビルディングのあり方について深い議論を交わしました。
AGC横浜テクニカルセンターでのリーダーシップ会議
12月10日・11日の両日は、AGC株式会社(AGC)横浜テクニカルセンターを会場に、10カ国(シンガポール、オーストラリア、フィリピン、ベトナム、インド、インドネシア、香港、台湾、マレーシア、日本)のグリーンビルディング協議会(GBC)代表者およびWorldGBCが集結しました。
また、AGC、Henderson Land、Sustainable Design Intelligence、Jones Lang LaSalle Japanといったパートナー企業も参加。AGCシンガポールがWorldGBC APNのスポンサーを10年務めたことを記念するセレモニーも行われ、同社の長年の多大なる貢献を全員で祝しました。
10日は終日にわたり、2026年に向けたWorldGBC APNの活動方針について戦略的な議論が展開されました。

「Climate Resilience(気候レジリエンス)」をテーマとしたパネルディスカッション
11日午前には、WorldGBC APNにとって2026年度の最重要課題である「Climate Resilience」に焦点を当てたパネルディスカッションを実施しました。フィリピンGBC CEO兼WorldGBC APN共同議長のクリストファー・デ・ラ・クルーズ氏がモデレーターを務め、日本の有識者4名が登壇しました。
パネリスト(登壇順):
・国土交通省 都市局 都市環境課 課長補佐 守谷 修 氏
・株式会社竹中工務店 設計本部 アドバンストデザイン部 環境コンサルティング1グループ長 伊勢田 元 氏
・株式会社竹中工務店 東京本店 設計部 環境グループ 主任 海野 玄陽 氏
・三菱地所株式会社 サステナビリティ推進部 マネジメントユニット 担当部長 小林 英樹 氏
政策、設計、建築、都市開発という多角的な観点から、大規模な自然災害に対して先進的な対応を続けてきた日本の知見が共有されました。各国の参加者からは、日本の技術力と社会実装のスピードに対し、非常に活発な質問が寄せられました。

プロジェクトツアーとネットワーキング:新旧の調和に見る日本のサステナビリティの「幅」
最終日の12日は、GBJが単独でホストを務めるイベント日として、日本の都市開発におけるサステナビリティの幅広さを象徴する2つのプロジェクト視察と、ネットワーキングを組み合わせた特別プログラムを実施しました。
1.歴史的建築の維持と進化:近三ビル(1931年竣工)
午前中は、中央区日本橋室町に所在する近三ビルを視察しました。村野藤吾氏設計、竹中工務店施工による1930年築の歴史的建築ながら、現在もLEED v4.1 O+Mプラチナ認証を維持しています。 オーナーである近三商事株式会社の森隆代表取締役社長および森正隆代表取締役専務より、築100年近い建物をいかに高い環境性能で維持し続けているかについて詳細な説明をいただきました。参加者からは、その維持管理能力と先見性に対して深い称賛の声が上がりました。

2.富士山を望むネットワーキングランチョン
視察の中座には、六本木ヒルズ森タワー内に所在する「六本木ヒルズクラブ」にて、GBJ、WorldGBC APN、そしてUrban Land Institute (ULI) Japan Sustainable Development Councilのメンバーによるネットワーキングランチョンを開催しました。 本ランチョンはGBJの単独スポンサーシップにより実施され、会場からは冬の澄んだ空気の中に雪をかぶった美しい富士山を一望することができました。この絶景には海外からの参加者も非常に喜び、和やかな雰囲気の中で対面での親交が深まりました。WorldGBC APNのヘッドであるJOY GAI氏ならびにGBJからは理事の南章子が参加者へ向けての挨拶を行いました。直接顔を合わせて対話を重ねたことで、2026年に向けた活動展開の強固な基礎固めを行う貴重な機会となりました。

3.世界初の最先端再開発:麻布台ヒルズ(2025年完成)
午後は、2025年11月に全体完成を迎えたばかりの麻布台ヒルズを視察しました。「Modern Urban Village」をコンセプトとしたこのプロジェクトは、LEED NDとWELLの双方で世界初のプラチナ同時取得を果たした、東京が世界に誇る再開発事例です。 森ビル株式会社の村田麻利子氏(都市開発本部計画企画部環境推進部兼サステナビリティ委員会事務局兼タウンマネジメント事業部パークマネジメント推進部)より、最新技術とレジリエンス思想を融合させた街づくりについて解説いただきました。

今後の展望
今回の日本開催を通じ、日本の官民一体となったレジリエンスへの取り組みや、歴史的建築物の性能維持、そして最先端の都市再開発という、多層的なサステナビリティの姿をアジア太平洋地域のリーダーたちに強く印象づけることができました。
GBJは今後も、国際的なネットワークを活かし、日本の優れた知見を世界へ、そして世界のベストプラクティスを日本へと繋げる架け橋となってまいります。

