第29回GBJセミナー[資料]【LEED Talk】ダイキン工業テクノロジー・イノベーションセンター説明・見学会

2016年11月15日(火)開催 <募集時セミナー案内はこちら>

 

テクノロジー・イノベーションセンター(以下、TIC)は、2016年夏季に大規模なオフィスビルとしては国内で初めて、LEED-NC(新築部門)プラチナ認証を取得しました。

ダイキン工業の技術開発のコア拠点として、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビルディング)の実現に向けた技術を結集しただけでなく、協創イノベーションの実現を行う場としても趣向の凝らされた建物で、2015年11月の竣工以来、国内外より見学者が絶えません。そのような中、「LEED」を主眼にした解説・見学会を、初開催していただきました。

 

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目次 │ Contents

第29回GBJセミナー

主題:第29回GBJセミナー【LEED Talk】 ダイキン工業テクノロジー・イノベーションセンター説明・見学会

 ~LEED-NC(新築部門)において大規模なオフィスビルでは国内初プラチナ認証を取得~

日時:2016年11月15日(火) 13:30~16:00 

会場:ダイキン工業 テクノロジー・イノベーションセンター フューチャーラボ

 

 

 

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資料1 (pdf 1,317KB)

 

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資料2 (pdf 9,604KB)

 

 

Q&A

DK:ダイキン工業

NS:日建設計

 

Q1.ペントハウスが2階になっているとのことだが確認できなかった。

 

実験エリアの最上部に2層の塔屋(ペントハウス)がある。オフィスエリアの上部には塔屋はない。(NS)

 

Q2.ASHRAE62.1の規定に凝縮水が付着する可能性のある空調機にはフィルターMERV6を設置することとなっている。御社にて今後LEED対応用製品をつくることは可能か?

 

・北米等でアメリカンエアフィルター(AAF)という関連会社が海外展開。MERVに適合するフィルターがあるが、日本で使えるようにできるかどうかは即答できない。

国内フィルター事業は、日本無機で展開。今後、需要があれば検討していく。(DK)

→日本ではMERV6対応品がないため、国内基準の「中性能」フィルターを利用するとMERV9以上になってしまい、過大な性能となる。

 

Q3.新冷媒R32をビルマルチに導入する計画は?

 

・高圧ガス保安法の規制が解決すれば実用化に進む予定である。(DK)

 

Q4.対象エリアを敷地全体とし、オフィスエリアだけを申請対象としたときのテクニックがあれば教えてほしい。

 

・LEED申請対象エリアはあくまでもテクノロジー・イノベーションセンターの建物全体及び外部空間である。建物は建築基準法上も、機能上、構造形式上も1棟の建物で、その中がオフィスエリアと実験エリアに機能的に分かれているだけなので、オフィスエリアのみをLEED申請対象とはしていない。セミナーで示した一次エネルギーの試算比較は、データ説明のしやすさを考えて実験エリアをはずした。(NS)

 

Q5.LEED取得に当たってゼネコンの果たした役割について教えてほしい。

 

・発注時の与件書にLEED取得に関する施工者の役割について記載し、見積り条件に盛り込んだ。(NS)

・着工後、速やかに施工者とLEED分科会を開き、現場の人たちへどうすればポイントが取れるかをレクチャーして情報共有し、理解を深めることにより、工事期間中の取組みがスムーズに進んだのでよかったと考える。(NS)

・外構舗装材であるインターロッキングが今回採用した国内メーカーの製品ではSRI値データがなかったので施工者、メーカーと協議して新たにSRI値を海外の計測機関で実測した。(NS)

 

Q6.グローバル展開をするうえで海外で知名度を誇るLEED取得を決めたとのことだが、効果はあったか?

 

・海外からのお客さんには受け入れやすい。プラチナのなかでも順位はどのぐらいか?などと質問され、技術力のバロメータとして見られていることがわかった。(DK)

・LEEDの理解があると新技術の開発に関しても役に立つ。とくにエネルギーシミュレーションの知見を得ることができた。(DK)

・今後の自社施設において順次LEED取得を目指すかどうかは未定。(DK)

 

Q7.Q4で実験エリアも対象エリアとなったとのことだが、EAc2で高得点をとるために実験エリアで工夫された点を教えてほしい。

 

・ダイキン製の高効率ビルマルチ(VRV)と、外気導入量が多いため回転式全熱交換器を使って外気負荷を削減している。(NS)

・ドラフトチャンバーの稼働に連動するよう外調機に高速VAVをつけるなど、エリア個別に外気を導入し、外気量を最小に抑える工夫をした。(NS)

・チャレンジだが、ドラフトチャンバーの排気からコイルで熱回収して外気の予冷、予熱に使っている。(NS)

 

Q8.エネルギーモデリングにおいて顕熱を潜熱におきかえる際、DESICAをどのように反映させたか?

 

・日建設計により、エナジープラスには実装されていないデシカントモデルをカスタマイズしてDESICAのデータを反映させた。(NS)

・新製品については、テスト結果を特別な補正式に乗せてデータに反映させた。(NS)

 

Q9.配布資料にあるサーカディアンリズム照明の生産性向上効果について教えてほしい。単純な作業性向上?知的生産性も検討?

 

・タスクライトの利用率があまり高くない。(DK)

・今後実証していく。(DK)

・色温度は最もエネルギー消費量が少ない設定のままほぼ固定されていて、生産性向上効果の実証試験は行えていない。(DK)

 

Q10.IEQ4.4非ユリア材使用についての適用範囲を教えてほしい。

 

・OAフロアの端部調整材(本工事ではパーティクルボードを採用。)、各所に使用した合板を適用範囲とした。ドラフトチャンバーなどの半固定実験台、円形講義室固定家具(ともに別途工事)は対象外とした。(NS)

 

Q11.LEED取得によって工事費はどのぐらい増えたか?

 

・与えられた予算内でがんばったので、これだけ増えた、といった観点ではわからない。(DK)

 

Q12.IEQ4.1 低VOC接着剤の使用について、特別な取り組みを行ったか?

 

・特に建築材料に使用するシールや接着剤は低VOC材料を選定している。ただし、一部設備配管等に用いるシールには単体としてLEEDで定められた基準を超えているものも使用している。IEQ4.1における要求事項は基本的には全ての材料が基準を満たすことだが、部分的に抵触する材料があった場合でも総量規制値を満たしているか否かで最終判断される規定となっている。今回は総量規制値をクリアすることで本クレジットを獲得した。(NS)

 

以上

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