GRESBとは

 

GRESBは、不動産セクターの会社・ファンド単位での環境・社会・ガバナンス(ESG)配慮を測り、投資先の選定や投資先との対話に用いるためのツールとして、APGやPGGMなどの欧州の年金基金を中心に2009年に創設されました。現在ではGBCIがGRESBの親会社となり、米国、豪州、アジアなどの機関投資家が参画しています。

元々は「Global Real Estate Sustainability Benchmark(グローバル不動産サステイナビリティ・ベンチマーク)」の略でしたが、ここ数年は、インフラ等にも評価対象が拡がったため、GRESB(グレスビー、グレスブ)と略語で総称されるようになりました。GRESBは、実物資産関連の様々なアセットクラスでの投資判断に使えるツールとして拡がりをみせています(図表1)。

 

図表1 GRESB評価の枠組みと広がり

(出典: CSRデザイン環境投資顧問(株))

 

 

 

不動産を対象とする「GRESBリアルエステイト」の中においても、メインのGRESBリアルエステイト評価・ディベロッパー評価にプラスして任意での参加ができる「健康と快適性モジュール」や「レジリエンスモジュール」、またリアルエステイト評価等への参加者でなくても開示情報によって格付けされる「GRESB開示評価(GRESB Public Disclosure)」も開始されるなど、メニューの多様化が進んでいます。

 

「GRESBリアルエステイト」への参加者は毎年増加しており、2017年は、グローバルで850、日本で53となりました(図表2)。日本の内訳は、J-REITが多く34社、その参加率は時価総額ベースでJ-REIT市場の85%となっています(2017年9月初め時点)。生命保険会社、私募リートなどからの参加も増え始めています。また、開示評価については、大手ディベロッパー各社も対象となっており、積極的に参加されています。また、「GRESBインフラストラクチャー」評価でも、2017年に日本から初参加がありました。

 

 

図表2 GRESBリアルエステイトの参加者数の推移(2010~2017年)

(出典: CSRデザイン環境投資顧問(株))

 

 

GRESBの評価方法、スコア概要と評価項目

「GRESBリアルエステイト評価」では、総合スコアのグローバル順位によって格付(GRESB Rating)が与えられ、上位20%が「5スター」、次の20%が「4スター」などと呼ばれます。また、「実行と計測(IM:Implementation & Measurement)」と「マネジメントと方針(MP:Management & Policy)」の2軸のスコアによって図表3のようにプロットされ、その両軸とも50%以上の好評価を得た参加者には「グリーンスター」の称号が与えられます。

日本参加者は毎年着実に平均スコアを上げ、2014年以降はグローバル平均よりも優位を維持しています。

評価項目は、サステイナビリティに関する社内体制や方針の制定状況、ESG情報の開示状況をはじめ、LEEDやWELLを含むグリーンビル認証の取得実績、保有不動産物件を通した環境負荷削減への取組みやテナントとの環境・社会配慮の協働など、多岐に渡ります。

 

図表3 日本・グローバルのスコア推移(2013~2017年)とGRESBの評価方式

 

(出典: CSRデザイン環境投資顧問(株))

 

日本参加者のスコア概要

日本参加者の平均スコアをグローバルと比較して見ると(図表3)、日本から3回目の参加となる2013年ではグローバルを大きく下回っていたものの、2014年で並び、2015年には逆に上回りました。その後も今年まで着実に平均スコアを上げ、グローバル平均より優位を維持しています。 GRESBレーティングで見ると、日本参加者で最も多いのは4スター(32%)、続いて3スター(28%)、5スター(18%)の順となっています(図表4)。

 

図表4 日本でのGRESBレーティング分布(2017年)

(出典: CSRデザイン環境投資顧問(株))

 

7つの分野別のスコアを見ると、「グリーンビル認証」以外の各分野では、日本がグローバルを上回ります(図表5)。「グリーンビル認証」は、日本の平均スコアが昨年から下がった唯一の分野でもあり、特にBELSを初めとした省エネルギー格付の普及など、今後も継続的な取組みが期待されます。

 

図表5 グローバル・日本のスコア比較(2016~2017年)

(出典: CSRデザイン環境投資顧問(株))