テナントとともに築古ビルが実現したLEEDゴールド『蔵前ウグイスビル認証プロジェクト』

プロジェクト名:蔵前ウグイスビル 認証プロジェクト
建設地:東京
認証システム:LEED v4.1 O+M Existing Buildings
認証取得: 2023年2月20日
認証レベル: Gold

インタビューを受けた人 : 株式会社ビルmo 代表取締役 吉田賀織さん
インタビューした人: グリーンビルディングジャパン共同代表理事 宮本順子

 

築古ビルの再生を主に取り扱う株式会社ビルmoの吉田さんに、LEED O+M Goldを取得したウグイスビルについてお話をお聴きしました。

――まず、今回のプロジェクトの概要を教えてください。

 

吉田賀織(以下、吉田):今回LEED O+Mを取得したウグイスビルは東京都の蔵前という、若いアーティストや海外のショップ等が、古い倉庫や蔵等をリノベーションして商売を行う、近年注目を集めている隅田川に面したエリアです。東京のブルックリンとも呼ばれています。

そのウグイスビルに入居する弊社は「既存ビルの再生」および「環境認証の取得コンサルティング」の事業を手掛けており、既存ビルの付加価値向上と入居者の快適性向上を実現するフラッグシップビルとするべく、弊社がプロジェクトオーナーとして認証を取得することになりました。

UGUISU Building

 

 

――蔵前は素敵なお店やカフェが多く、若くておしゃれな人に人気のエリアになっていますね!ウグイスビルは築60年ということですが、LEED O+M認証を取得するために、工夫されたことや苦労した点をお聞かせください。

 

吉田:まず、ウグイスビルは共用部、専用部ともに機械換気設備はありませんでした。入居者の方に新鮮な外気を提供することも必要でしたが、ちょうどコロナ渦ということで、換気の重要性が見直されるタイミングだったため、LEED認証は良い機会になりました。
また、廃棄物の計測について、ウグイスビルにはビル管理がいないため、各テナントから排出される廃棄物は各テナントにてトラッキングをする必要がありました。空気室が改善され、LEED認証取得ビルに入居するというメリットを説明したところ、皆さん協力的にご対応いただき感謝しています。

ゴミ計測の様子の写真

 

 

――テナントが協力的というところが、O+Mでは一番大事なポイントですよね。ビルオーナーだけがビルの環境を良くするのではなく、皆が一丸とならないと取れない認証ですよね。

 

吉田:はい、ゴミの排出に関してはもう一つ、ペットボトルゴミの排出に関してもテナントさんに協力いただいていることがあります。回収日に併せて排出することです。大きなビルだと24時間ゴミ捨て可能で、分別もビル管にお任せという部分がありますが、ウグイスビルではゴミの排出日、計測もそれぞれテナントが行っていることから、O+Mに貢献しているという意識が生まれやすいのかと思います。

 

 

――LEED認証を取得したことについて、入居者の方の反応はいかがですか?

 

吉田:ウグイスビルという古いビルに入居されているテナントの皆さんは説明会時より、サスティナブルな意識を持つ方が多く、認証取得に必要な工事やタスクについて非常に理解を示して下さりました。認証取得により、ビルの付加価値が向上したと感じています。
また、今後は定期的な入居者アンケートも実施しますし、快適性について良い反響があることを楽しみにしています。

 

 

――良いフィードバックがあるといいですね。さて、皆さんが気になるコストについてお聞きします。今回のO+Mの認証にかかるコストはどなたが負担したのでしょうか。

 

吉田:イニシャルコストは弊社で負担しました。太陽光発電による電源供給により、ランニングコストが削減されることや、何よりもビルに付加価値が生まれ、空室がないことから、ビルオーナー側のメリットも十分考えられ、長い目で見ればコストは下がります。

 

 

――イニシャルコストがかかっても、ビルの付加価値、環境価値を考えればビジネス的にはメリットがあるということですね。

 

吉田:そうですね。入居者としても、ゴミのトラッキング等の手間が増えたとしても、賃料は変わらず居心地のよい居室になり、また、テナント同士のコミュニケーションが取れやすくなったと感じています。今回のリノベーションでテナントが使用できるMeetingスペースも作りました。ミーティングスペースのテーブルは古い太陽光パネルを再利用して作ったものなのですよ。

 

――おしゃれですねー。そして、私が気になったのは、古いものの味を残しながらリノベーションしているところです。エイジング加工をしてわざと古く見せているインテリアが好まれる時代、何もせずにそのままでおしゃれ、でも、使いやすくある程度改修されているところがなんとも言えない味を出していますね。特に、シンクがとても素敵です。

吉田:弊社の手掛けるリノベーションにおいて、大切にしているのは「清潔感」です。現代のニーズに合わせた改変と古い物でも清潔感を保つことで、人々の愛着と大切に扱う心が生まれると考えます。このような取組み自体がサスティナブルであり、新しいビルにはない唯一無二の物語を未来に紡いでいくことに繋がります。

 

 

――本日はどうもありがとうございました。築古ビルでも十分にLEED 認証の取得ができることを学ぶことができました!今後も素敵なリノベーションの情報お待ちしております。

 

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